2021-01-01から1年間の記事一覧

脱「いい子」のソーシャルワークー反抑圧的な実践と理論ー 著者多数 現代書館

私たち著者5人がこのタイトルに込めた思いに少し触れてみたい。 福祉の世界には、様々な「抑圧」が蔓延し、「いい子」の支援者が結果的にその抑圧を後押ししてしまっている。そしてこの「抑圧」は、福祉現場に閉塞感をもたらし、ケアや支援の仕事を、つまら…

人は皮膚から癒される 山口創

スキンシップのもっとも原初的な意味は、生まれたばかりの赤ん坊の体温が低下しないように、養育者が触れて保温することだった。もともとスキンシップは生命を維持するために必要だったのだ。一方でそのように温かい身体で触れられることは、情動レベルでは…

「ユマニチュード」という革命ーなぜ、このケアで認知症高齢者と心が通うのかー 著:イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ 日本語訳:本田美和子 誠文堂新光社

ユマニチュードは認知症の人や高齢者に限らず、ケアを必要とするすべての人に向けたコミュニケーションの哲学であり、その哲学を実現させるための技法です。 「見る」「話す」「触れる」「立つ」という人間の持つ特性に働きかけることによって、ケアを受ける…

『働くミレニアル女子が身につけたい力ーEMPOWERMENTー』著:大崎麻子

「与えられた仕事を一つひとつ誠実にこなすこと。それが次の仕事のドアを開けてくれる」 女性の幸せ、男性の幸せ、などというものはありません。あるのは人として幸せかどうか、です。 エンパワーメントとは、単に「自己責任で生きる」ための術を身につける…

愛の労働あるいは依存とケアの正義論

愛の労働あるいは依存とケアの正義論 著:エヴァ・フェダー・キティ 白澤社 依存して生きる者たちにはケアが必要である。まったく無力な状態で生活全般にわたってケアが必要な新生児も、まだ身体は動くけれども弱って生活に介助が必要な高齢者も、基本的なニ…